The Full Investment

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主に米国株投資で配当金生活を目指しています。

石油業界の今後

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ここ最近の原油価格の下落を受けて、各石油会社の株価も軒並み下落しています。

OPECの減産合意に関わらず、一向に原油価格が上がる気配がなく、エクソンモービルに投資している私も、「大丈夫かよこれ」と少し不安になります。

まあ原油というコモディティを扱っている以上、市況に左右されるのは仕方ないのですがね。

 

 

なかなか先の見えない石油業界ですが、長期的なエネルギー展望を知るための情報源の一つに「World Energy Outlook」というものがあります。

国際エネルギー機関(IEA)が毎年秋くらいに発行しており、2017年版は今年の11月発行のようです。

ただし有料です。値段も120ユーロとなかなかのお値段です。

 

「有料かよF〇ck」と思いましたが、ありがたいことに2016年版を日本語でまとめてくれた資料がありました。

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/ondanka_platform/kokunaitoushi/pdf/007_06_00.pdf

 

World Energy Outlookでは2040年までのエネルギー展望を予測しているのですが、予測には3種類のシナリオを想定しています。

 

  1. 現⾏政策シナリオ(Current Policies Scenario):2016年半ばまでに実施されている政策のみに基づいたシナリオ
  2. 中⼼シナリオ(Central Scenario, New policies Scenario):導⼊済み及び導⼊予定の政策効果を⾒込んだシナリオ(各国の約束草案を反映)
  3. 2度シナリオ(450 Scenario):今世紀末の平均気温の上昇を2度未満に抑えるシナリオ

 

上から順に、現状維持、やや省エネ化、すごく省エネ化ということでしょうか。

2度シナリオは、かなり実現が難しいようですが。

 

シナリオ別の2040年におけるエネルギー需要の予想は以下のようになっています。

 

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出典:IEA 世界エネルギー展望(World Energy Outlook)2016より作成

 

どのシナリオも、エネルギー需要は長期的には増加するようです。

人口増加および経済発展のためでしょう。

ただ、2度シナリオではクリーンエネルギーの割合がかなり増えて、石油、石炭の需要は減少するようですね。

電気自動車が爆発的に普及すれば実現するかもしれませんが、中心シナリオあたりが現実的な気はしますね。

 

ちなみにエクソンモービルもエネルギー需要の予測を公開していました。

 

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出典:Smil, Energy Transitions (1800-1960), ExxonMobil 2017 The Outlook for Energy: A View to 2040

 

OilやCoalが増加しているあたり、エクソンモービルも中心シナリオ近い予想なのではないでしょうか。

 

また、輸送用機器向け燃料の需要予測もありましたので合わせて紹介しておきます。

 

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出典:ExxonMobil, 2017 The Outlook for Energy: A View to 2040

 

燃料の需要も長期では増加傾向のようです。 

燃料別では、ガソリンは緩やかに減少ですが、その代わりにディーゼル(軽油)が増加していくようです。

最近は日本でもディーゼル車をよく見かけますしね。

地域別では、アジアが大きく増えるようです。

 

 

最後に、石油需要と価格の予想を見ておきましょう。

 

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出典:IEA 世界エネルギー展望(World Energy Outlook)2016より作成

 

石油需要は、2度シナリオが実現すると長期的には減少します。

それ以外のシナリオでは増加。

価格も、2度シナリオでは現在よりも上がる見込みですが、需要の減少とともに長期的には下落傾向。

 

 

石油業界にとっては、2度シナリオはあまり好ましくないかもしれませんが、しかしこれが実現するってことはかなりのイノベーションが起きているはずなので、社会全体にとってはうれしいことだと思うんですよね。

それにこういう状況になれば、石油会社もクリーンエネルギー事業の割合を増やしたり、エネルギー需要に合わせて経営をコンパクトにしたりと、何かしら対策は打っていると思うので、そんなに悲観的でもないかなという感じです。

 

まあとりあえず長期的にはエネルギー需要は増加の見込みということが確認できたので、あまり悲観的にならず気長に待つとしましょう。

 

ただ石油業界というのは、つくづく政策に振り回される業界だなあと思いました…