The Full Investment

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主に米国株投資で配当金生活を目指しています。

ブラック企業をなくすには

ブラック企業は、日本経済が過去10年間で生み出した最大のイノベーションです。その“功績”は、最低賃金サービス残業で正社員を徹底的に使い倒し、アルバイトを雇うよりも大幅に人件費を節約して驚くような低価格を実現したことです。

 

バカが多いのには理由がある』 

  

 

ブラック企業」は日本特有の形態です。

無給で働くサービス残業なんて、国際標準からしたら「奴隷」と同じらしいです。

 

日本にブラック企業が蔓延る原因は、日本人がまじめだからとかではなく、終身雇用を前提とした日本特有の雇用制度にあります。

 

終身雇用制度では、一度正社員として会社に入れば、定年までその身分と収入が保障されます。

これって一見、従業員側にとって破格に有利な条件に見えます。

まさに「特権階級」です。

 

しかし、従業員側が一方的に有利な状態では、会社もやっていけません。

会社が社員の面倒を生涯にわたって見るかわりに、会社への強い服従を求めるのは自然な流れです。

クビにできない社員を遊ばせておく余裕なんて、今の会社にはありません。

 

また、終身雇用で容易に解雇できないとなると、会社も正社員を雇うのに慎重になります。

すると従業員側も、仕事が嫌で辞めても再就職が難しくなり、会社の無理難題に従うしかなくなります。

日本の労働市場流動性が低いのも、これが原因です。

 

日本の裁判所も、解雇に関しては従業員の味方ですが、業務命令に従わない従業員に対しては厳しいです。

「面倒見てもらってるんだから、多少理不尽な要求も我慢しろ」ということです。

 

このような仕組みに目を付けたのがブラック企業です。

会社に従うしかない正社員を最低賃金サービス残業で使い倒すことで、人件費を大幅に削減できることを発見しました。

「激安居酒屋」なんかが成立するのも、このおかげです。

 

もちろん、こんな労働環境では辞める正社員も多いでしょう。

しかし、正社員という”特権階級”に憧れる新卒はいくらでもいるので、また採用すればいいのです…

 

 

では、どうすればブラック企業はなくなるんでしょうか。

経営者に「従業員をもっと人間らしく扱え」とでも言えばいいんでしょうか。

おそらく、こんな道徳的なことを言っても、結局は会社と社員の主従関係は崩れないので、ほとぼりが冷めればまたもとに戻るだけでしょう。

 

ブラック企業が蔓延るのは今の雇用制度が原因なのですから、ブラック企業をなくすには終身雇用を廃止して、会社が正社員を経営上の理由で自由に解雇できるようにするしかありません。

 

身分が保障されないなら正社員である価値はなくなり、社員が会社に服従する理由もなくなります。

また、社員を自由に解雇できるなら、会社も採用に積極的になりやすく、労働市場流動性も高くなります。

転職がしやすくなれば、ブラック企業には人が集まらなくなり、自然と淘汰されていくしかありません。

 

要は、変に正社員を特別扱いするから、会社と社員の関係がおかしくなるんです。

 

 

しかし、終身雇用がなくなれば、日本の失業率は上昇するでしょうね。

特に不景気になれば。

そう思うと、終身雇用制度とブラック企業は、日本の失業率を抑えるのに一役買っているとも言えます。

 

終身雇用がなく自由に解雇できるというのは、つまりアメリカのような雇用形態です。

日本も同じようにすれば、日本の失業率はアメリカ並みになり、アメリカ並みにホームレスを増やすことになります。

日本政府はこれを看過できるのでしょうか…

 

ブラック企業をなくすのか、失業率を下げるのか、どちらがいいんでしょうね…