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主に米国株投資で配当金生活を目指しています。

「人生に費やした時間と費用」はサンクコストか

最近、橘玲氏の『臆病者のための億万長者入門』を読みました。

内容は資産運用関連です。非常に参考になります。

 

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門』も読みましたが、橘氏の本は、あまり人が言わないようなことがズバッと書いてあるので、読んでいて楽しいです。

 

 

この『臆病者のための億万長者入門』の中で、印象に残った一節があります。

 

地球上には70億人の人々が暮らしており、「私」はその中の一人に過ぎない。ささやかな名声を手に入れたとしても、死後10年もたてば「私」を話題にするひとなど誰もいなくなるだろう。

これは客観的には真実だが、それをありのまま受け入れると生きている理由がなくなってしまう。完全に合理的だと人生は無意味になって、ひとは死ぬか狂うかしかなくなるのだ。

 

臆病者のための億万長者入門』 

 

もはや資産運用とは関係ない内容ですが、どういう流れでこの話が出てきたかは実際に本を読んでもらうとして、確かに今すぐ死んだほうが、今後生きるためのお金や労力が不要になり、経済的には最も合理的かもしれません。

しかし、人は完全には合理的になれないので、「せっかく生まれてきたのだから、頑張って生きよう」などと思ってしまうのです。

 

「人生これから良くなるかもしれないから、死ぬのはもったいない」というのは、埋没費用(サンクコスト)に囚われているとも考えられます。

 

 

ちなみに埋没費用(サンクコスト)とは…

 

事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のこと

 

埋没費用 - Wikipedia

 

人はよく、これまでにかけた時間と費用がもったいという理由で、今後利益が出る可能性が低いにもかかわらず、今やっていることをやめられずにいます。

「これまでにかけた時間と費用」は、今やっていることを中断しても戻ってこないので、サンクコストとなります。

今後利益が出る見込みがないなら、サンクコストに囚われず即中断するのが合理的と言えます。

株の損切りみたいなもんです。

 

Wikipediaには、サンクコストの分かりやすい例として、映画の話が載っています。

 

例1:つまらない映画を観賞し続けるべきか


2時間の映画のチケットを1800円で購入したとする。映画館に入場し映画を観始めた。10分後に映画がつまらないと感じられた場合にその映画を観続けるべきか、それとも途中で映画館を退出して残りの時間を有効に使うべきかが問題となる。

 

  • 映画を観続けた場合:チケット料金1800円と上映時間の2時間を失う。
  • 映画を観るのを途中でやめた場合:チケット代1800円と退出までの上映時間の10分間は失うが、残った時間の1時間50分をより有効に使うことができる。


この場合、チケット代1800円とつまらないと感じるまでの10分が埋没費用である。この埋没費用は、この段階において上記のどちらの選択肢を選んだとしても回収できない費用である。よってこの場合は既に回収不能な1800円は判断基準から除外し、「今後この映画が面白くなる可能性」と「鑑賞を中断した場合に得られる1時間50分」を比較するのが経済的に合理的である。
しかしながら、多くの人は1800円を判断基準に含めてしまいがちである。

 

埋没費用 - Wikipedia

 

これを「映画」でなく「人生」に置き換えると、「今まで生きるために費やした時間、労力、費用」がサンクコストです。

よってこの場合は既に回収不能な「今まで生きるために費やした時間、労力、費用」は判断基準から除外し、「今後人生が良くなる可能性」と「人生を中断した(死んだ)場合に節約できる時間、労力、費用」を比較するのが経済的に合理的と言えます。

 

どちらを選択するのが合理的かは言うまでもないでしょう…

 

まあ、私は今のところ死にたいと思っていないどころか、老後のこともたまに考えたりするあたり、サンクコストに囚われているのかもしれません…

 

 

なんか鬱っぽい内容になりましたが、これも五月病のなせる業ということで良しとしておきましょう。