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主に米国株投資で配当金生活を目指しています。

現行NISAにおける非課税期間終了時の注意点

2018年1月より、新たに「積立NISA」なる制度ができます。

その陰に隠れて、実は現行NISAも一部改正されました。

これによって、非課税期間終了時の「ロールオーバー」が少し有利になります。

 

現行NISAは、非課税期間終了時の処理の仕方に注意が必要です。

やりようによっては、損する可能性があるからです。

 

ということで今回は、現行NISAの非課税期間終了時の注意点と、「ロールオーバー」の改善点についてまとめようと思います。

 

現行NISA

 

現行NISAは2014年から始まった制度で、決まった投資可能額内で株式等の売却益や配当金が5年間非課税になるというものです。

 

制度の概要については、下記の金融庁サイトに記載されている画像に見事に集約されていますので、説明は省きます。(手抜きではありませんよ?)

 

 

f:id:tsubuinvestment:20170412224810p:plain金融庁より

 

 

非課税期間終了時

 

現行NISAで最も注意しなければいけないのは、5年の非課税期間が終了した時の対処の仕方でしょう。

対処の仕方によっては、せっかくの非課税制度なのに損する可能性もあります。

 

非課税期間が終了したときは、NISA口座内の株式等は、①売却②課税口座に移す③翌年の非課税枠に移す(ロールオーバーの3つから選択することになります。

 

①売却

売却して、売却益が出ても税金は掛かりません。

 

売却損が出ても、NISA口座は他の口座と損益通算はできません。ただ損して終わりです。

場合によっては、損益通算ができる分、課税口座(特定口座か一般口座)のほうで買ったほうが得だったということもあり得ます。

 

②課税口座に移す

NISA口座から課税口座に移す場合、株式等の「取得価格」が移管時の時価に更新されます。

このとき、NISA口座の株が含み益か含み損かで、状況がかなり違ってきます。

 

例えば、ある年のNISA枠で120万円分の株を買った場合、取得価格は120万円ですが、5年後に課税口座に移す時に130万円まで値上がりしているとすると、取得価格は130万円に更新されます。

この場合、課税口座に移されてから売却しても、NISA口座内で値上がりした10万円分は課税されないことになります。

なぜなら課税口座では、120万円ではなく130万円で買ったことになっているからです。

 

逆に、5年後に110万円まで値下がりした状態で課税口座に移した場合、取得価格は110万円に更新されます。

その後何とか115万円まで回復して売却した場合、この課税口座内での値上がり分である5万円に課税されます。

実際にやっていることは、120万円で買って115万円で損切りしているのに、この場合損した上に税金まで取られます。まさに泣きっ面に蜂です。

 

課税口座移管後に、120万円以上に値上がりして売却すれば利益が出るかもしれませんが、取得価格が110万円に下げられているので、見かけ上の利益が増える分税金も増えるため、実質的な利益は減ることになります。

 

結局、課税口座に移す時には、取得価格が更新され、NISA口座での含み益も含み損もなかったことにされます。

含み益がなくなるのは得ですが、含み損がなくなるのは損です。

 

③翌年の非課税枠に移す(ロールオーバー

ロールオーバーした場合も、取得価格は②と同様に更新されると思います。(すいません、ここはちょっと自信ないです)

まあ、非課税口座で取得価格がどうのこうのというのはあまり重要ではありませんが。

 

ある年のNISA枠で120万円分の株を買い、5年後に130万円に値上がりした状態でロールオーバーする場合を考えます。

従来では、そのときの時価130万円の内、ロールオーバーできるのは投資可能額である120万円分までで、残りの10万円分は売却するか課税口座に移す必要がありました。

 

それが、平成 29 年度税制改正の大綱で以下のように変更されました。

 

非課税口座に設けられた非課税管理勘定に、他の年分の非課税管理勘定又は未成年者口座に設けられた非課税管理勘定から移管がされる上場株式等については、その移管により非課税管理勘定に受け入れる上場株式等の価額(払出し時の金額)の上限額を撤廃する。 

 

平成 29 年度税制改正の大綱 

 

つまり、130万円まで値上がりしても、130万円分まるまる翌年のNISA口座に入れられるということです。

投資可能額が120万円にもかかわらず。

 

これはいい改善だと思います。

これによって、実質10年間まるまる非課税で運用できるわけですし。

 

ちなみにNISA制度は2014年から始まったので、初ロールオーバー2019年分からになります。

ということは、結局みんな改正後の制度を使えるということで、みんなハッピーということです。

 

逆に、120万円が5年後に110万円まで値下がりした状態でロールオーバーする場合、翌年のNISA枠は110万円分使われることになります。

NISA枠にはまだ10万円の空きがあるので、さらに追加投資もできます。

しかもこのときは、NISA枠に投じた元本は実質130万円(=120万円+10万円)になります。(これが得なのか損なのかは分かりませんが…)

 

それに5年後では含み損でも、ロールオーバーしてトータル10年間運用すれば利益が出る可能性は高いです。

10年運用して利益がでないなら、それはただのクソ株だったと思って諦めましょう。

 

まとめ

 

結局、現行NISAは5年後に含み益を出してナンボの制度だとは思います。

含み益さえ出てれば、損しないどころか、新ロールオーバー制度でさらにお得になります。

 

逆に、不幸にも5年後に含み損がある場合は、売却したり、課税口座に移したりすると損します。

含み損がある場合は、ロールオーバーして次の5年間に賭けるのが幾分マシなやり方でしょう。

 

現行NISAは当初の予定通り、2023年分が最後の非課税枠となり終了するそうです。

ということは、ロールオーバーして10年間運用できるのは2018年分が最後ということになりますね。

 

ちなみに新しく始まる積立NISAは、ロールオーバー制度はないみたいですね。

まあ運用期間が20年なので、さすがに損はしなさそうですが。

いや、「TOPIX連動投信」とかなら、ワンチャン20年後に含み損とかあり得るかもしれんな…